メール力がある女、ない女

『あ~!そんなメールじゃ、全然ダメ!話にならない!』怒っているのは恋愛の達人・A子。恋に悩むB子の相談を受けている。

Bの打つメールが不細工すぎると、苦言を呈した。彼女は最近知り合った男性と、いい感じに。何度か食事をしてみたが、段々と疎遠になってしまう。

もう気まずくて連絡できない!と、ウジウジするB子。今までの彼とのやり取りを、A子がヒアリングした。

『私に任せなさい!』A子はB子の携帯を使い、意中の男にメールを打ち出した。どんなお誘いをするんだろう・・・ワクワクして覗いてみる。

・・・なんてことはない、軽い挨拶程度の内容。しかし何だか、可愛いメールなのだ。どこから見ても女の子で、華やかな絵文字使い。それもアホっぽくなく、丁度いいバランスと色合い。センスがいいのである。

1分も経たないうちに、彼から返信が来た。我々はどよめいた。早い、早すぎる!メールを打ったA子だけは全く驚くこともなく、次から次へとやり取りを続けた。

何往復かした後に、自然とデートの約束まで取り付けたのだ。こんな素晴らしいゴーストライターがいるだろうか。スタンディングオベーション、拍手喝采であった。

特にこのワードが効いた!みたいな策はない。天才A子は、メールでの雑談が上手なのだ。肩の力が抜けまくった、可愛い言葉遣い。考えて考えて考えぬいた、魂の一文を送りつけました!なんて怨念もなく、気軽に返信できる内容。

生まれ持ってのモテ才能を持った彼女が、10代の頃から気軽に男とコミュニケーションを取り続ける修行を続けてきたのだ。敵うわけがない。

イチロー選手レベルのプロである。天賦の才に、長年の努力が積み重った者。素人が即効性を期待して真似しても、うまくはいかない。

素人B子は自分の代わりに、イチローにヒットを打ってもらった。そのお陰で、次の試合も出番が回ってきたのだ。ここからは、自分がバッターボックスに立つ番である。

ずっと影武者に助けてもらう訳にもいかない。天才のヘルプを借りるのは、最初だけだ。

『メールはね、ブスでも美人に見せられるのよ!生かさななきゃ!』天才の目が、キラリと光った。ブスを美人に・・・!お得なテクニックである。

結局大事なのは、対面してからの能力ではあるが、チャンスを呼び込むという意味では、文字の力もあなどれないのだ。



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