【ちいさなおうさま】カネか家族か!?大事なものがわからない人へ

狂ったように婚活をしていたアラサーの頃・・・。ひと時も心休まることはなく、頭の中は常軌を逸するほどの焦りでいっぱい。そんな時、とても心穏やかな友人・A子がいた。彼女は結婚願望はあるものの、大好きな『彼氏』と呼ぶ男と長年に渡る不倫をしていたのだ。

結婚に焦るオンナからすると、不倫ほど時間を無駄にするものはない。1秒たりとも既婚者なんぞに費やしている暇はなく、前に進み続けなければならないのだ。本気の恋?自分だけは違う?そんなことはどうでもいい、結婚に結びつかない関係など無用であった。

・・・常にトランス状態ではあるが、ふと冷静になることがある。焦るオンナたちと、なぜA子は焦らず優雅に年を重ねることができているのか?を検証した。彼女には安定した稼ぎがあった。年収にすると600万円、さらにその美しさを武器に外食費はゼロ(男性持ち)。数々のブランド品を貢がれて、とにかく金銭的・物質的には不自由をしていなかった。

こうして、心穏やかな人間の心を持てるのは『年収600万円』と仮定した我々。サンプルが1人しかいない、強引なデータである。『確かに私も600万稼いでいれば、無理せず焦らず、結婚相手を見つけるわ・・・』派遣社員のB子が力なく呟いた。全くの同意である。富めるものは訳の分からんものに心を惑わされることなく、自分のやりたいように人生の舵取りができたのだ。

・・・それから10年、焦り軍団のオンナたちは、一人残らず結婚した。

A子は未だに、不倫の彼と大恋愛中なのだ。焦りは時に、追い風となることもある。

そんな時に⇨『ちいさなおうさま』

年収600万円どころか、一国の王の話。城に住んでいて、食べきれないご馳走が毎日出てくる、キングな生活だ。さぞかしイケイケかと思いきや、『寂しい』という王様。最後は妻子に恵まれ、『寂しくない』とめでたし、めでたし!カネか家族か。そんなテーマじゃないのに、そんなテーマにしか見えなくなってくる、スレた読者の私!非常に考えさせられる作品であった。

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