こんな中年になりたくないシリーズ

昔、昔・・・。

私はアルバイト先である女優に似ていると、よく言われていた。適当に流せばいいものを、A子(推定アラフィフ)は毎回、突っかかってきたのだ。

『ええっ!?全然、似てないよ~!』

毎回、すごい剣幕で否定してくる。お世辞なのは、わかっている・・・!大げさに騒ぐな。しかし彼女は店一番のお局だったため、笑ってやり過ごした。

1番厄介なのは、お客様に似ていると言われた時だ。A子はどんなに遠くにいても、ちゃんと聞いていおり、『そんなの、全然似ていませんよ!この子は清水ミチコですよ!』と、私はミチコに仕立て上げられたのである。

当時の私はミチコがどんな方だかわからなかったのだが、A子がプッシュするということは、一般的に似ていて喜ぶ人物ではないのだろうと推測。

A子はそのうち、更なる飛躍を遂げてきた。何度も何度もミチコだミチコだと刷り込まれ、私はどんどん洗脳されてくる。ついには人を誘導するようになった。
『そんな人よりも、もっと似ている人がいますよね?ほら、モノマネの清・・・』と、ミチコに導くようになってきたのだ。私は誰だかわからないミチコを演じる日々を過ごした。

最終的には、『君、あの人に似ているね・・・えーと・・・』とお客が悩み始めた時、A子に最大のチャンスが訪れる。キラリと目が光って、私を覗きこんでくる。

『あなたが似ているのは、あの人よねぇ?誰だっけぇ~?』

猫なで声を出しながら、首をかしげてきた。『はい。清水ミチコですね!』とうとう、自白にまで追いやられた。A子はは満足げに、それでいいんだぞ・・・と頷いていた。

時は流れて、彼女と同じくらいの年代になった。今となっても目的は何だったのか、さっぱりわからぬ。誰得のプレイじゃい。若者に煙たがられても、自分の思いを貫く。嫌われてもいい、私が憲法!そんな潔さ、ある意味立派・・・。もっと違う方向に活かせば、多くのものを掴めたのかもしれない。

私は自意識過剰なので、哀れな目で見られることを恐れてしまい、無駄にいい人を演じてしまいそうだ。ちなみに清水ミチコさんではないのですが、山瀬まみさんに間違えられたことがあります。

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